トップページ > 槇殿順記念病院の診療の特徴 > 肝RFA(肝がんに対するラジオ波焼灼治療)
※ハイポーラRFAシステム CelonPOWER(セロンパワー)を導入しました。
詳細はこちらのページをご覧ください。
- 肝臓がんに対する切らない低侵襲治療-
原発性肝がん(肝細胞がん)の多くは、ウィルス性慢性肝疾患、特に肝硬変を基礎疾患にして発生するがんです。
また転移性肝がんは肝臓以外の臓器にできたがん(原発巣)が肝臓に転移したがんです。
原発性肝がん(肝細胞がん)の多くはB型およびC型肝炎ウィルス感染による肝硬変を背景とし、肝機能の低下を
伴っているため、治療においてはがんだけでなく肝機能も予後を決めるものとなります。
そのため、がんの大きさや個数だけでなく、肝機能も考慮した治療法の選択が必要となります。
さらに肝細胞がんは治療後も異時性、同時性に再発する頻度が高く、再発時の治療も念頭に置き、肝機能を温存する
ことも考慮しなくてはならず、他のがん以上に体への負担が少ない治療が重要とされます。
当院では全身の状態や肝臓の機能、腫瘍の大きさや個数などを検討し、より効果的で侵襲の少ない治療法を選択します。肝RFA治療は手術療法に比べ、患者さんの負担が少なく、治療の効果も十分あると考えられ、RFAに肝動脈化学塞栓術(TACE)、肝動注化学療法(TAI)などを組み合わせた肝がん治療を積極的に行っております。
- 肝RFAの実際-
まずCT検査を行い腫瘍の位置を確認し、針を刺す場所や方向を決めます。
皮膚に局所麻酔を行い、皮膚を通して肝臓に刺していき、腫瘍の中心まで針を進めます。
そのとき、IVR-CT装置を駆使し、リアルタイムでCT画像を観察しながら肝臓の中の血管など、注意が必要な部分を観察しながら針をすすめます。
腫瘍の中心に針が挿入されたことを確認したところで、ラジオ波を通電します。
1回の焼灼時間は通常15分程度です。(腫瘍の大きさや、状態によってはそれ以上かかることもあります)
焼灼中もCT画像で治療の進み具合を観察します。
焼灼終了後は早期の合併症(出血など)が起きていないか、再度CT画像で確認し、終了になります。
治療終了後は、病室へ戻り、しばらくの間安静とします。
最後に、全ての患者さまに対し、この手術法は可能というわけではありません。
肝がんに対するRFA治療を希望される方や、セカンドオピニオンとして話を聞いてみたいという方は、外来でご相談ください。
- 腎臓がんに対する切らない低侵襲治療-
当院では腎がんにおいても、ラジオ波治療を施行します。腎がんに対する治療の第一選択は手術ですが、以前に片方の腎臓を摘出され、残存腎にがんが再発した症例や腎機能不良、全身麻酔困難例の患者さまに対して施行します。
術後の腎機能への影響はほとんどありません。現在のところ保険収載されていないため全額自費となりますが、今後腎がん治療の柱の一つとなる可能性があると考えられます。