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咽頭がんについて症例一覧

咽頭表在がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術

  近年、NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光法)などの画像強調内視鏡の進歩により、咽頭表在がんの発見例が増えており、他の消化器がんと同様に低侵襲な内視鏡治療が普及しています。

  治療の適応は術前に生検を行い扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんと診断した上皮内および上皮下層浸潤に留まるもので明らかなリンパ節転移のない症例としています。

頭頸部癌取り扱い規約第5版(2012年6月)表在癌の壁深達度より引用(一部改変)


 頭頸部がん治療ガイドラインでは下咽頭がんの早期例に対しては喉頭温存を目指し、根治照射あるいは喉頭温存手術(経口的切除、外切開による切除)のいずれかを個々の症例に応じて選択すると記載されていますが、放射線治療は臓器温存において有用ですが、咽頭炎や唾液分泌障害や味覚障害など治療後の副作用がみられます。下咽頭表在がんの内視鏡治療は臓器温存に加え、咽喉頭機能が温存されるため、他臓器の内視鏡治療と比較しても治療による恩恵は大きいと考えられます。

NBIとは

NBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)とは、通常光観察では見えにくい小さな病変を特殊な青い光で見えやすくします。早期がん等の病変の発見率向上のため、注目を集めている内視鏡診断技術です。


下咽頭表在がん
下咽頭表在がん(NBI画像)

下咽頭ESDの実際

手術は全身麻酔下にて左側臥位で行います。

  ・先端フードを装着した内視鏡スコープを経口的に挿入し、NBI画像で病変部を確認します。

  ・全周性にマーキングを行います。

  ・生理食塩水を局注の上、口側より内視鏡治療用の電気のメスを用いて粘膜切開を開始し、全周切開します。

  ・腫瘍の口側より内視鏡治療用の電気のメスを用いて粘膜下層の剥離を行い、腫瘍を一括切除します。


下咽頭〜食道入口部展開
NBI画像
マーキング
粘膜切開開始
粘膜下層剥離
剥離終了

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